アグラからバラナシへ行く列車に乗っていると

謎のオレンジ集団が登場。
これは…絶対関わり合いになりたくない。

結局、絶対に関わり合いにならないつもりが

ものすごく仲良くなってしまいました。
というのが前回までのお話。
そんな彼らともバラナシ駅でお別れです。
こんな沢山のオレンジ服を見ることは、今後二度とないでしょう。

謎のオレンジ集団が登場。
これは…絶対関わり合いになりたくない。

結局、絶対に関わり合いにならないつもりが

ものすごく仲良くなってしまいました。
というのが前回までのお話。
そんな彼らともバラナシ駅でお別れです。
こんな沢山のオレンジ服を見ることは、今後二度とないでしょう。
バラナシ駅についた僕は、逸る気持ちを抑えてサイクルリキシャ(自転車タクシー)に乗り、世界中の旅人が集まる、ガンジス河付近の安宿街へと向かったのでした。
しかしこれがまた、雨季のせいか、はたまた整地せずコンクリートを敷いたせいか、サイクルリキシャが通る道はガタガタ。
しっかり掴まっていないと荷物ごと放り出されそうな勢い。
悪路なのはわかりますが、ちゃんと舗装されたところを選んで走行すればこんなに揺れることはないはず。これは客としてさすがにひとこと言わなければ。
「ちょっと運転手さん」
「ア?」
「さっきからすごく揺れるから、もっとちゃんとした道を通ってください」
「アイムオーケー」
ん?
「アイム、オーケー。センキュー」
んん?
もしかすると、この運転手のおじさんの、僕のことを「文句を言う客」じゃなくて
「悪路を運転する運転手を心配して言葉をかけている客」と見なしているんじゃ。
こんなにポジティブに物事を捉えられたら、さぞ毎日幸せでしょう。
まあそんなこんなで無事にリキシャからは放り出されず、バラナシの中心街へと到着し、日本人の間では有名な「久美子ハウス」という安宿へと向かうことに。
とは言っても、「久美子ハウス」は別に良い宿というわけではなく、ある異空間として機能している・観光名所のようなところなのだという噂があり、その噂を僕もこの目で確かめようじゃないか、と思った次第なのでした。
その噂はたとえば
「マリファナ許して酒は許さずの掟がある」
「宿の限界以上に客を入れるため、通路に人がザコ寝してる」
「旅行者の生命線であるパスポートが何故か廊下に転がっている」
「ベッドが板」
なーんていう、ウソかマコトか・いやいや絶対にウソだろうという内容でして。
そんなまゆつば物の大嘘は実際に泊まって化けの皮を剥がしてみると、ほら見たことですか全部事実。
そんなわけで数日後、たまらず久美子ハウスから逃げ出すわけなのですが、まだそんなことを知る由もない僕は、一路「久美子ハウス」を目指したのでした。
ちなみに、バラナシのほとんどの道は本当に狭く、人がサッと避けたと思ったら目の前に牛が現れあわや正面衝突しそうになります。
ひどいときは前と後ろから牛が現れ・さらには自転車も登場して、旅行者の僕なんかはかなり動揺して思いっきりのけぞりましたが、インドの人たちはさすが慣れたもの。
ギリギリのタイミングで紙一重の距離でうまーくかわすのです。
と思いきや時々手に包帯を巻いたインド人も見かけたりもするんですけどね。
それはそうと
こちらが噂の久美子ハウスの外観。
もう何がなんだかよくわかりませんね。
ドミトリーと呼ばれる大部屋だと1泊150円です(ただしベッドは板)。
まあ久美子ハウスはいいとして、バラナシといえばガンジス河。
ヒンドゥー教の聖地なのですから、さぞ神聖な雰囲気なのでしょう。
カメラを携えてガンジス河まで向かい
さっそく発見したのは
おお!!
昼寝中のヤギ!
ヤギさん!!ここヒンドゥー教の聖地ですよ!
しかしさすがヒンドゥー教の神である牛は、ヤギとはひと味違い
堂々の熟睡。
川辺は風が吹いて気持ちいいですもんね。
と、川辺に目を向けると
あれ?
駅で別れたはずのオレンジ服の人が
また現れたと思いきや
それどころかものすごい数に
膨れ上がっていました。

観光客が来るところに付き物の怪しげな勧誘が多いのはもちろん、出家した修行僧のサドゥーにしても、ただの観光客目当ての物乞いと変わらない場合も多く「そうか案外こんなものかー」と思ってしまったのが正直なところ。
でも、そんな中にも果たして本物はいるわけで。
あくまで全部僕の主観ですが、そういう人達は雰囲気が全然違いました。
たとえば

この日の夕暮れ時に出会った修行僧たち。

外国人が傍にいようがいまいがそんなの関係なく楽器を演奏して皆で歌っている姿はとても格好良く

思わず僕は息を飲んで見守ってしまったのでした。
そして僕を含め、周りにいる人皆に等しく菓子を分けたあと

彼らは船に乗り

歌いながらどこかへ消えていきました。
【インド・ネパールD】に続く