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2018年09月30日

【第11回】図案と音楽の話「地方と都会」


「図案と音楽の話」第11回「地方と都会」は、図案の話も音楽の話もほとんどありません。
いうなれば田舎から出てきた人たちのただの雑談。
でも僕、この回の小田さんのエピソードトークが今回の対談のハイライトだと思ってます。
ちなみに対談時間は全部で2時間ありましたが、ほとんどがこういう余談だったよ!


上京の頃

山本 小田さんは音楽をやろうと思って岩手から上京したんですか?


小田 そうですね。僕は高校に入るときに岩手から出てきた。

中学でバンド始めてて、芝居とかも興味あったんです。

でもそれをやりたいけど、岩手県内ではみんなが行くような高校に部活としてそういうのがなかったんですね。文化部が見つからないので、うーんどうしようかなと思ったときにポッと関東に出てきたわけです。


山本 なるほど。坂本家は素直に函館から出してくれたんだっけ?


坂本 うちの家族はみんな頑固だから、俺も東京に行くのは譲らなかった。

ただ親が国立大学しか駄目だっていうから。


山本 そんでさらっと第一志望の国立に合格したもんね。


坂本 あんときのエネルギーはすごかったですね。


小田 俺は新しい自分になるんだ!って。


坂本 脱皮するんだっていう。

あとは地元に仕事がないっていうのもあるので。


小田 なるほど。


山本 いや、坂本君はそんなこと考えてなかった。

「誰も知らないところで脱皮して新しい自分になるんだ」ってことだけで頭がいっぱい。


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山本 僕は上のきょうだいが東京にいたので、自然と東京に行くものだって思ってて。

それから地元では手に入らない色んなモノも買えるし!ってのもありました。


小田 それはありますね。僕、音楽始めたのは中学生ですけど、地元は楽器屋がすごい遠くて買い物がとにかく大変でした。

スティックとかピックとか、親に頼らないと買ってこれなくて。ギターの6弦が切れたとき、表面のスプリングを全部はがしてみたら、下から細い弦出てきて、あれ?これ2弦とかに使えるじゃん!みたいな感じで節約してました。


坂本 いいエピソードですね。



「縫った」


山本 地方人の、モノへの憧れはありましたよね。


小田 どうしても手に入んない何かってありましたよね。

中学生んとき、ちょうどエアマックスとかナイキとかが流行った頃に、1個上の先輩がナイキのキャップをかぶってたんですよ。


山本 はい。


小田 そんで「うわ、ナイキじゃないですか」って言ったら「うん、縫った」とか言って。自分でナイキのマークを刺繍したらしくて。よく見たら本当に手製で。いや、もう最高だなと思って。


山本・坂本 わははははは!


小田 その先輩は本当に尊敬してました。

みんな空気入っただけのエアマックスの偽モノの靴とかつかまされて履いてたけど、無地の白帽子にオリジナルで刺繍っていうのは素晴らしいアイデアだなと思って。


山本 先輩と仲良くなりたい。


坂本 なりたいね。


山本 おしゃれなものに飢えてる人はいましたね、やっぱり。

僕らの親友にも池田くんって人がいまして。かっこいいんですけど、飢えた上での失敗も多くて。


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仲良しのヤギに噛まれる池田くん


山本 高校生の頃、池田くんが意気揚々と

「おれ、ブックオフですげえ安くヴェルヴェット・アンダーグラウンドのレコード買った」

って自慢してきたので、部屋に見に行ったんですよね。

そしたらカーテンの上の窓枠に飾ってあるんだけど、ちょっとでかくて。

どうもおかしいなあとよく見たら両面キラキラのレーザーディスクでした。


小田 それは相当飢えてますね。


山本 飢えた狼でしたね。


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3日後に壊れるとも知らずに新品のカメラを試す池田くん


山本 あと池田くんの実家の部屋に、観音開きの洋服タンスがあったんですけど

扉に油性マジックでブルーハーツの『トレイン・トレイン』の歌詞を書いてて。


坂本 書いてたね。


山本 左扉に「ここは天国じゃないんだ」右扉には「かといって地獄でもない」って。

それはまあ自分の部屋だからねっていう。しかも油性マジックで書いたもんだから永遠に消えない。


小田 いいですね。ブルーハーツへの渇望でちょっと変になっちゃってる。


山本 そういう余地があの頃の地方の子どもにはありましたよね。



〔第12回〕これからのこと に続きます


-------今日のがまくん【第1478回】--------------


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がまくんと台風

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台風、ほんとにいやですねえ。
「チャーミー」なんてかわいい名前をつけてもかわいくないですよね。

posted by 星燈社 at 09:00| 日記