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2009年10月06日

きものと伝統

 先日、京都学園大学で地域経済学の教授を務められ、かつ日本きもの学会を設立し会長を兼任しておられる波多野進氏の講義を聴く機会に恵まれました。着物を着てなんとまあ男前!

 波多野さんは「きもの」をテーマに講義をしておられましたが、きものだけではなく今の日本の色々な状況にも通じるお話でした。

つまり「きれいごとではなく、産業として日本の伝統をどう残していくか」ということ。

「何百年も続いてきた日本の伝統工芸は価値がある。しかし実際に庶民が生活の中で使うにはあまりにも高価なものになってしまっている。」

「そういう物凄く高価なものは文化財として国が保護するべき。京友禅でも、今は技術が上がってプリントでも手描き友禅と遜色ないものが十分いいものが買える。僕ら庶民は何百万もするものじゃなく、そういう手頃なものを買えばいいのです。まあ、値段が全然違うからきもの業界の人は決してそうは言いませんけどね。」
と波多野さん。

 そう、伝統を伝えていくことは、つまり「生活の中に伝統を取り入れること」。庶民が買えるものでなくては「生きる文化」として伝統は伝わっていかない、ということでしょう。
よく言われることですが、伝統はある日いきなり消えうせたのではなくて徐々に日本人が生活から排除していったのですね。

 だからこそ僕らがこれから伝統を伝えていくためには、現代の人々の生活にフィットするように伝統を「進化」させることは絶対に必要だと僕は思っています。そして、そのための技術も積極的に肯定していくべきでしょう。勿論反対意見もあるでしょうけど。

おまけ
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奈良、東大寺の楓。

posted by 星燈社 at 12:56| 暮らしまわり